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webhack / 猫とウェブ技術が好き

javascriptやcssやHTML5とかサーバーサイドの技術やプロジェクトマネジメントとかウェブに関するマーケティングとかWEBを取り巻く全般を好きに書くブログ

2015年度版 結婚式・ブライダル業界の動向調査(北海道版)

マーケティング ウェブ開発

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Photo credit: MowT

結婚式に関連する仕事をするようになって長いのですが、ブライダル総研から毎年でている「結婚トレンド調査」を読んで現状と照らし合わせる・動向とトレンドを合わせて判断すると言った事を年に一回ですが個人的にしています。ぼくの本業はプログラマですが毎年しているのでだいぶ慣れてきました。

ブライダル総研の「結婚トレンド調査」が今年2015年10月と11月に更新されています。

この内容と見解・他資料も照らし合わせた北海道のブライダル業界動向を送客に注目した内容でざっと記事にします。

※本記事中の数字で断りがないものは「ゼクシィ結婚トレンド調査2015調べ」からの引用です。

挙式、披露宴などパーティーの平均総額が上昇(消費税引き上げの影響)

挙式・披露宴パーティーなど平均総額は徐々に上昇傾向にあります。直近3年間はほぼ横ばいでしたが今年は消費税増税の影響もあって2014年333.7万円から352.7万円に上がりました。

※2015年調査(調査対象期間2014年4月~2015年3月)は消費税8%に増税した初年度です。

北海道情報をちょくちょく混ぜて行くと、北海道の結婚式は会費制で低価格帯に含まれる結婚式の割合が多く総額が150万円未満での挙式・披露宴が38.5%に及び全国平均の10%と比べて極端に高い数字です。

北海道 全国平均
低価格帯の結婚式(150万円未満) 38.5% 10%

北海道の結婚式の平均総額は203.1万円で同じ東日本エリアの首都圏・福島は370万円台と比べると170万円も差があります。

北海道 福島 首都圏
結婚式の平均総額 203.1万円 372.4万円 370.7万円

消費税増税の影響で結婚式の予算を削減したのは全体の4.1%と微弱

それほどネガティブな影響はありませんでした。ただし、若年層になるほど消費税の影響で予算削減したと回答が多くなります。妻が24才以下の場合では7.4%が消費税の影響で予算を減らしており、妻が35才以上では2.0%が予算を減らしています。

全国的にも結婚式の平均総額が高い福島では、消費税の影響で予算を削減したのが11.9%と全国平均の4.1%よりも高い数字になっています。そのため結婚式の平均総額が高いほど消費税の影響が大きく出る傾向が見て取れます。

披露宴のゲスト数は平均83.2人と多めのまま

北海道は地元の繋がりが薄いから披露宴のゲスト数(招待客数)も少ないんでしょ?と思っている人が多いのですが、そんな事はありません。

北海道で行われる披露宴の平均ゲスト数は83.2人と全国平均の72.5人を上回っています。平均ゲスト数が一番少ないのは東海地方で平均60.0人となっています。首都圏も平均68.7人で少ないです。

逆に一番多いのが青森・秋田・岩手の東北3県で平均105.7人。次に九州で平均96.0人です。

北海道 全国平均 首都圏 東海地方 青森・秋田・岩手 九州
結婚式の平均ゲスト数 83.2人 72.5人 68.7人 60.0人 105.7人 96.0人

最近は親族の結婚式参加数が下がり、仕事関係での招待が増える傾向にあります。

北海道は披露宴のゲストが100人を超える割合も多め

北海道はゲスト数100人以上で行う披露宴が38.2%と多いです。東北と九州も大人数での披露宴が多く、特に青森・秋田・岩手ではゲストが160人以上の披露宴の割合が13.5%と全国平均の1.7%と比べ飛び抜けて多いです。

北海道 全国平均 首都圏 東海地方 青森・秋田・岩手 九州
ゲスト数100人以上の結婚式割合 38.2% 22.5% 6.1% 52.9% 53.8%

両親からの援助は全国平均よりも低い

主に両親から結婚式費用の援助があった割合は全国平均で74.8%、北海道は76.7%です。援助総額の全国平均は162.4万円で、北海道の平均は126.6万円です。内訳は「100万円未満」が39%、「100~200万円未満」が37%、「200~300万円未満」が16%です。

北海道 全国平均
結婚費用の援助総額平均 126.6万円 162.4万円

主に両親から結婚式費用の援助があった割合は新潟で84.5%、富山・石川・福井では86.1%と日本海側の北陸4県が全国平均と比べて多くなっています。

自己負担額0円以下での結婚式が増加中

結婚式を挙げるときの見積もりで一番気にするのは「自分たちの持ち出し金額」でしょう。

カップルが結婚式のため100万円貯金しました。お互いの両親から100万円出してもらって総額200万円になりました。そしてこの金額にご祝儀が足された額が総額です。(自分たちの出費 + ご祝儀 = 結婚式総額)

北海道の会費制でゲスト100人の例:
二人の持ち出し100万円+両親の持ち出し100万円+ゲスト数100人×会費2万円=総額400万円の結婚式が可能

たまにウェディングプランで格安10万円や0円などの数字を目にすることがあると思います。結婚式でご祝儀の総額が出費の総額を上回る場合が0円以下と呼ばれる状態です。

九州では0円以下の割合が19.6%と高めです。次に北海道の17.4%が続きます。九州は全国平均の9.2%のほぼダブルスコアになっています。

北海道は結婚式のご祝儀が会費制で1.5万円~2万円が相場になっているため、その中で0円以下を達成するのは結構凄い事だと思います。九州は事情が分からないですが何故0円以下が多いのでしょう?

北海道 九州 全国平均
0円以下結婚式の割合 17.4% 19.6% 9.2%

結婚式の実施割合が減少中

2015年の結婚式の実施率(実施決定含む)は69.0%で前年調査より1.9%減少しています。結婚した10人の内、7人は挙式または披露宴を行っている事になります。若い年代ほど結婚式を行う割合が大きくなります。

2015年 2014年
結婚式の実施率 69.0% 71.9

これは「なし婚」の増加に当たる現象ですが、現状でそこまでなし婚が増えている印象はありません。授かり婚向けのマタニティウェディングプランの増加や再婚向けのプラン増加があり、今まで結婚式を出来なかった・諦めていた層が結婚式を行う状況も生まれつつあります。

なし婚についての補足

みんなのウェディング調査によると、なし婚の理由で多いのは経済的な事情とさずかり婚によるものです。

「ナシ婚」の三大理由は4年連続 
「経済的事情(23.1%)」「さずかり婚(20.6%)」「セレモニー的行為が嫌(15.5%)」

URL: http://www.mwed.co.jp/press/release/20150312140000

再婚・晩婚での披露宴実施率が上昇?

サンプリング数が多くないため不確定な範囲ですが40代での披露宴実施率が前年対比で3.2%と大きく上がっています。年齢が上がるほど披露宴実施率は下がる傾向にあり、さらに再婚の場合での披露宴実施率は低くなりますが、この数字が上昇傾向にあります。

40代での披露宴実施率
2015年 42.7% (n:239)
2014年 39.5% (n:205)
再婚での披露宴実施率
2015年 45.4% (n:302)、保留を含めると54.6%
2014年 42.7% (n:286)、保留を含めると51.4%

サンプル数が小さい中ですが3%の数字が1年で動くって結構大きいんですよね。

再婚だから周りの目を気にして結婚式を行わないというのもナンセンスではありましたし、海外挙式などのリゾートウェディングが伸びている事も影響しているのかも知れません。ゼクシーによるプロモーションの影響も大きそうです。

国内・海外リゾートウェディング動向(さらっと)

円安の影響で海外リゾートウェディングは伸び悩みです。沖縄のリゾートウェディングは海外からのインバウンド含め国内でも堅調です。

URL: http://www.ogb.go.jp/sinkou/shinki/kijimunaa/nahamachi4_gaiyou.pdf
※沖縄リゾートウエディングに関する調査について、2014/09/18 定例記者会見 沖縄総合事務局総務部

海外リゾートウェディングの最大手と言えばワタベウェディングです。こちらは円安の影響を受け挙式件数が伸び悩んでいるようです。

http://www.watabe-wedding.co.jp/library/pdf/corporate/ir/enter_53.pdf
※ワタベウェディング 2016年(平成28年)3月期 第52期中間報告書(平成27年4月1日から平成27年9月30日まで)

北海道ローカルな結婚式を挙げる二人の動向

ここからのユーザー行動については北海道に限定したローカルな情報になります。このユーザーの行動は地域によって違います。

勤務先での紹介が少ないが…?

公務員や農協など特定団体の職員が結婚式を挙げるときは企業が提携している式場の利用が多くなります。レポートを見ると0.3%と少ないですが、この数字が小さくでるには事情があります。

企業が提携している結婚式場を利用する場合には、他会場との比較をしない場合が多いです。アンケートを収集しているゼクシーとの接点も少ないため具体的な数字がレポートに反映される事が少ないと思われます。

そのため「xxの職員さんたちはxxで結婚式をしている」などの情報は知ってる人は知っていますが、表には出てこないクローズドな情報になります。

全国的に来館件数が減り、決定率は上昇傾向にある中、北海道は?

ここがとても重要な所です。ブライダルフェアや相談のために結婚式場へ来館してもらうと、その後の成約率が格段に上がります。そのためブライダルフェアに注力して送客を促す事に力を入れている全国展開のブライダルポータルサイトが数多くあります。

ですが、1客当たりの平均フェア参加件数と平均来館件数が毎年緩やかな減少傾向にあります。また資料請求を行う件数も緩やかに減少しています。

そのため「資料請求したくなる魅力的なプラン」と「来館したくなる日時と内容でのフェア」の仕組み作りの重要性が増しています。

平均資料請求数が減り、資料請求する結婚式場が厳選されている

北海道での資料請求の平均件数が3.5件、札幌では3.8件、全国平均が3.9件となっています。成約までに資料請求した結婚式場数は1~4件が全体の70.7%を占めています。

2009年は北海道の資料請求平均が5.0件でした。2015年は平均3.5件のため5年前と比べると平均で1.5件も減っています。色々な会場から資料を取り寄せる結婚式場を選ぶよりも、会場を厳選した上で資料請求をする傾向が見えます。

またハウスウェディング(ゲストハウス)での資料請求では3会場を取り寄せている割合が34.2%と多く、主要な会場を3つに絞って比較検討しているのが見えます。

ハウスウェディングでの資料請求式場数 割合
1会場 5.3%
2会場 10.5%
3会場 34.2% <-- 飛び抜けて多い
4会場 7.9%

フェア予約件数も減少傾向にあるが、決定率が上がっている

北海道でフェアや会場下見で来館する平均件数は2.8件、札幌で3.0件です。全国平均は3.1件と大きな違いはありません。2009年の平均3.1件から比べると微減しています、札幌以外では平均2.5件となっています。

ここで重要なのは4~5か所と多くの会場を回る人が減っている点で、1~2か所で決める人が増えている点です。

2009年は1~2か所で決める人が46.9%(1か所25.2% + 2か所21.7%)だったのに対し、2015年は1~2か所で決める人が54.0%(1か所27.0% + 2か所27.0%)と7.1%上昇しています。そのためまずユーザーが選ぶ上位3会場に含まれる事の重要性が増しています。

フェア参加して1~2か所で結婚式場を決める割合
2009年 46.9%
2015年 54.0%

また、ここでもゲストハウスの来館平均件数が3.1件となっており、主要な会場を3つに絞って比較検討しているのが見えます。

仮予約からのキャンセルは特に変動なし

キャンセルが怖い仮予約件数については数字に大きな変動がなく、2015年の平均仮予約件数は1.3件になっています。2009年は平均1.5件だったため、来館する会場数の減少に連動して、仮予約も減少しているように見えます。

ただ仮予約はホテルが平均1.4件と多く、ハウスウェディングが1.1件と少ないです。ハウスウェディングの多くは貸し切りという特徴があるためキャンセルになりづらいのかも知れません。

ホテル 仮予約率
1会場 65.5%
2会場 29.1%
ハウスウェディング 仮予約率
1会場 89.5%
2会場 7.9%

フェア・来館の1件目が最も成約率が高い

実施した会場は何件目に訪問したかについては、1件目の成約率が43.0%と高いです。1件目に一番期待している式場に行きたいというユーザー心理もあるでしょうが、成約数を増やすためフェア・来館の1件目に入るのは重要です。

また、ここでもゲストハウスの成約率が上位3か所でキレイな分布を表し合計85%に到達するため、やはり3つに絞り込まれて検討されているのが分かります。

ハウスウェディング会場への訪問 成約率
1か所目 50.0%
2か所目 18.4%
3か所目 15.8%

北海道はブライダルフェアの参加数・参加率が全国平均よりも低い

北海道のブライダルフェアへの参加率は67%と全国平均の75.2%と比べあまり高くありません。ブライダルフェアの平均参加式場数は2.6か所で全国平均の2.8%と比べて同程度です。

来館してもらうにはブライダルフェアが最も有効で定石なのですが、北海道の場合は3人に1人はフェアに行かないとの数字が出ているためそれ以外の方法も重要度が高いです。

北海道の平均婚姻年齢について

平成24年(2012年)札幌市衛生年報から平均結婚年齢です。年齢が高くなるほど結婚式を挙げる割合が下がります。

平成24年(2012年)度
初婚 30.9 29.7
再婚 43.8 41.2

北海道の婚姻数について

平成26年の婚姻件数は643,740組で前年の660,613組より16,873組減少しています。婚姻率(人口千対)は5.1で前年の5.3を下回りました。

平成26年(2012年)度 婚姻数 離婚
北海道 26,017 11,004
札幌 10,751 4,182

http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai14/index.html
※平成26 年人口動態統計月報年計(概数)の概況、調査期間:平成26 年1月1日~平成26 年12 月31 日

離婚についての補足

離婚数、離婚率ともに毎年どんどん増えていると勘違いしている人がいます。平成14年をピークに徐々に下がる傾向にあり、平成14年には289,836件だったのが平成26年には222,104件になり今後しばらく減り続けるものと思われます。

少子化および出生率の影響は既にない

日本は少子化が進んでいるため、出生率の低下から婚姻数の低下、結婚式数の低下が急速に進んでいると思っている方がいますが、自然減少はとっくに下げ止まっています。

おそらく今後しばらく婚姻数と結婚式数が連動して上がる事はありませんが、下がる事もなく横ばいが続くものと思われます。

北海道の場合は札幌に労働力が集中している影響から、札幌以外の地方結婚式場での結婚式数が低下傾向にある問題があります。地元で結婚式するよりも、結婚式場が揃っていて人が集まりやすい札幌エリアで結婚式を挙げる事が多くあります。

そのため札幌は都市人口よりも多くの結婚式が行われる恵まれた環境にあるとも言えますし、一点に集中しているため競争が激しく厳しい環境にある両側面があります。

業界全体として停滞期に入る可能性

ブライダル業界について人口減から低予算化・縮小を続けていると思っている人が多いのですが、そんな事は全くなく堅調に維持されている業界です。総額2.5兆円~3兆円の産業と言われています。

矢野経済研究所から出ているブライダル市場に関する調査結果2015版を見ると(2015年4月15日時点)、挙式披露宴については横ばいになる予測がされています。主要6分野では微減が続く予測です。

※矢野経済研究所ブライダル市場に関する調査結果2015
http://www.yano.co.jp/press/pdf/1380.pdf

主要6分野を以下に列挙します。

  • 挙式披露宴・披露パーティ
  • 新婚家具
  • 新婚旅行
  • ブライダルジュエリー
  • 結納式・結納品
  • 結婚情報サービス

さいごに

だいぶ長文になりました。最新の現状と少し先の予測が見えてきたと思います。

ブライダル業界のマーケティングは過去の経験や知見がほぼ役に立たないため、毎年状況に合わせた対策が必要とされています。顧客ニーズは情勢に合わせて毎年変わりますし、大手が少なく中堅企業が多い業界のため企業数が多く、合わせて競争も多く発生します。

そのためマーケティングには今求められているニーズをできるだけ精度高く捉え、マーケティング戦略に反映させていく柔軟性が大切です。自分たちが普段から付けている過去の成功経験や実績による「色眼鏡」が結果として自分たちの邪魔をする事が多い業種だと感じます。

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